日本語の外へ

akaisan2005-03-23

 「日本語の外へ」1997年片岡義男著 (筑摩書房 4,200円)を図書館で借りてやっと読み終わりました。 とても密度が濃くて文章の1行1行を読み飛ばせない。 なかなかゆっくり読書する時間がとれなかったのもあるのですが、通勤のデイパックに入れて歩いていつつも、とにかく読破するのに3ヶ月くらい掛かってしまいました。 そして今日1,050円で文庫バージョンを購入し、また通勤電車で読みはじめています。
 片岡義男さんの本は昔から「幸せは白いTシャツ」「ラハイナに来た理由」とか好きで、何度も読みかえしてました。 最近はNTTdataに投稿されている「未来日記」を毎週読んでいたりして、結構気になっていました。 でもこういった硬質な内容の文章をかれこれ10年も前から執筆されていたとは・・・己の無知を知りました。
 私も1年間アメリカに住んだことがあります。 ちょうど渡米する前に「911」があり、今もイラク戦争が続いていますが、もっと前にこの本を読んでいたかった。 住む前にこの本を読んでいれば、アメリカの空気をもっともっと理解できたと思います。
 本の内容とか表現を引用して、「ここがどうこう」とか「ここは変だ」とか書くことがためらわれるくらいに文章は推敲され、また示唆に富んでいます。 久しぶりに「本」というもの、「文章」というもののパワーを感じています。