孤突

 いきなりのタイトルですが、宮城谷さんの「重耳」の登場人物の名前です。 文庫本で3冊の長編なので小説の内容はとても詳細は描けないのですが、もうとにかく引きずり込まれました。 この孤突というのは主人公ではなく (主人公は重耳)、また重耳を支える重臣でもないのですが、なんとも味わいのある登場人物です。 この「孤突」を現した記述で中巻の途中に下記のようなものがありました。
 性格は堅忍不抜 / 挙措は神色自若 / 言動は精到該博
 どうでしょう、なんとも良いでしょう。 歴史書 (史書) にもこのように書かれていたのでしょうか・・ 男として後世こういう風に語られるほどの名誉はないですなぁ
 さて物語のベースは紀元前6世紀頃の中国です。 #日本ではやっと弥生時代? 当時は中原のあたりに周という王朝があり、そのまわりに「晋」「楚」「斉」「秦」といった国 (邑:いわゆる城壁都市) があったようです。 しかしながら現代と同じような国家・社会の動きがあります。 「歴史を学ぶものは未来を学ぶ」ことなのだなぁ・・ ということがしみじみ実感される小説です。