フランス人の幕末維新

akaisan2006-03-01

 こんどの図書館本は幕末のフランス人です。 フランス人と言えば最後は幕府軍について、長州・薩摩と戦った側くらいの認識です。 さてさていったい何をやってたのじゃろ〜 ということなのですが、この本を書いた3人のフランス人とは・・ 一人は修好通商条約の締結に同行したモージュ侯爵、一人は函館戦争にまで参加した海軍士官コラッシュ(それにしても一緒に戦ったというのはスゴイ)、もう一人は明治7年に富士山に登ったウェット。 この3人に当時特に繋がりはありませんが、いづれもこの本に納められているのは、3人が1860年にパリで創刊された旅行専門誌『世界周遊(Le Tour du Monde)』に寄稿されたものです。
 当時のフランスは海外旅行ブーム?ということで、中国やら日本やらとにかく世界中のあちこちに旅行(といってもほとんど探検か冒険)した記録がどんどん出版されていたようです。 ちょっと前までは水平線の向こうは海が滝になって落ちていると信じてたくらいで、キリスト教を信じない世界がまさか存在するなんて・・ といった、そうですね〜現代で言えばこれらの旅行記は「火星には火星人がいて、おれはそこへ行って変わったものを食べてきた」とか「火星人のあいさつは逆立ちするのだ」とか「火星人はなかなか友好的だ」くらいの情報インパクトがあったようです。
 とはいえ、こういった人々が記録を残してくれたおかげで当時の日本人の生活と言うか、ものの考え方といったことが現在の視点で客観的に読み返せるというのは面白いものだと思います。 いづれも日本の景色の素晴らしさには感嘆しています。 世界的にはけっこう砂漠気候が多いので、日本のように緑が一杯で空気が適度に湿度を帯び、温暖で気候も良い国というのはうらやましかったようです。 また日本人の清潔さや人なつっこさ、相手に対する親切さ、文化の高さなど、やはり驚きだったようです。 まあ当時の使節としてやってくるくらいの人々なので、それなりの学識を持ち、教育を受けている人格であり、相手ときちんと応対できる外交的人物ということもありますが・・