幕末外交と開国

 歴史は奥深い・・・
 教科書やマスコミの情報だけでは正しい認識を持つことはできない (可能性がかなり高い) と云うことがよく判ります。 #よく云われてますケド
 著者あとがきには『日本開国の歴史もその実像はまだ明らかになっていない』『「幕府無能無策説」と「黒船の軍事的圧力説」の二つを理由として、そこから極端な「不平等条約」という結論を引き出そうとする単純な三段論法であるために、かえって根強い支持を得て、現在に至った』とあります。 明治政府の政治的キャンペーンがそのまま現在まで教科書的認識となって広まってしまっているという主張です。
 いったい真実というものは最後まで見えて来ないのかもしれませんが・・・ 一時資料を丹念に解読すると "あの状況" での『幕府の高い外交能力、阿部正弘をはじめ林大学頭はか奉行・与力・同心にいたるまで交渉相手のペリー一行にたいして格別の偏見も劣等感も抱かず、熟慮し積極的に行動』という事実が読み取れるようです。 しかし一方ではそういう史実以外の真実もあったのかもしれません。 ある瞬間、ある断面にフォーカスしているだけでは理解や状況把握が足らないのかとも思います。
 現在起こっている事象でさえ様々な事実は見えて来ない訳で・・・ 少なくとも過去の史実に対して断定的に結論づけたような表現には疑問をもつべきだなぁと思った次第。