レースオフィサー講習会

 今回も末木さんのステキなお話を 4時間ほど・・そりゃもうしっかり伺うことができました。 こういうことがあるからヨットって素晴らしいんです (最近こういうのってないんですよね・・なんて謂うんですかね・・"manage" でなく "lead" ってことかな)
 ところで RRS (Appendix K NOTICE OF RACE GUIDE (18) / Appendix L SAILING INSTRUCTIONS GUIDE (27)) を読んでいて少し気になった点があったので、ちょこっと。 いわゆるレース公示と帆走指示書のガイド文章です。 さあどう理解します? まず主文を教科書みたいに直訳してみます。
18/27 RADIO COMMUNICATION
Except in an emergency, a boat shall neither make radio transmissions while racing nor receive radio communications not available to all boats. This restriction also applies to mobile telephones.
無線通信
緊急時を除いて、ボート (艇) はレース中の無線送信と全てのボート (艇) が利用できない無線通信の両方をしてはならない。 この制限は携帯電話も同様に適用される。
 shall neither ~ nor ですので、shall not both A and B と同じ意味ですよね。 前半は "while racing" なので "レース中" の無線送信 (transmission) を禁止しているという文章です。 ここで、わざわざ while racing と明記しているのだから、"after racing は送信しても良い" との議論の末にこういう記載になった気がします。 どうでしょうか・・考えすぎ?(^^;) また "transmission" と記載しているということは "while racing でも受信は OK" という議論があったような気もします。 そして後半で "receive radio communications not available to all boats" とありますが、これはいったい何のことでしょう。 全ての艇が利用できない無線通信とは・・ 各艇とサポートボート間の通信は間違いなくこれに当たりますよね。
 さてここで、フィニッシュした艇がサポートボートと携帯で連絡を取るのは OK でしょうか。 このガイド文章の前半からだとフィニッシュ後なら OK のように読めますが、後半を加えるとフィニッシュ後でも宜しくないように読めます。 判断は難しそう・・
 さてさて次に緊急事以外に許されるべき使用例というのは考えられるのでしょうか。 "全ての艇が利用可能な無線通信" と "レース後の無線送信" なら OK そうです。
 前者は "国際VHF 16ch" とか "GPS” が該当でしょうか・・またはブロードキャスト。 確かにクルーザーレースでは "GPS" を使わないレースって今や考えられないですよね。 天気図を受信したりもしてるし。 いわゆる "市販されている機器" なら使うのは問題ナ〜シということかな。
 では後者の "レース後の無線送信" って・・ 例えばディンギーレースで 1レースが終わった後で GPSデータをサポート部隊に送りコースを解析した後で次のスタート前に有利なコースを指示するなんてことが考えられますが、これはいかがでしょうか。 フィニッシュ後なら携帯電話も可能という判断だとするとこの使い方も "OK" になるかと思います。 または携帯電話で風予報をネット経由で入手するのもフィニッシュ後なら "OK" なのかもです。
 最終的には主催者が主旨を決めて、その内容を公示や帆走指示書に誤解無いように記載できれば問題ない訳ですけど・・ と言う意味で ISAFも "Insert any alternative text that applies. Describe the radio communication bands or frequencies that will be used or allowed." となっているのですね。 う〜ん、こんどゆっくり考えてみます (^^;)