カルチャーギャップ

 二つの本を平行して読みました。 「9.11 生死を分けた102分」と「アンダーグラウンド」 そう、2001年9月11日朝に起こった事件の話と1995年3月20日朝に起こった事件の話です。
 いづれもドキュメンタリーと言って良い本なのでしょう。 事実を "出来るだけありのまま明らかにしよう" とする著者の気持ちが伝わってきます。 TVニュースや新聞で語られる内容は "メディアが語りたくなるものしか語られない" という事実に対して、事件の本当の姿を伝えたいという気持ちだと思います。
 でも・・ この 2冊から感じたことは別の意味でのカルチャーギャップでした。
 それはよく言われる "西洋的なものと東洋的なもの”というか、"狩猟民族と農耕民族" 的なギャップなのでしょう。 今回のこの2冊で言うと、様々な情報をかなりの部分オープンに議論できる一面、ヒーローを探さずにはいられないハリウッド的な彼の国の "ドライな論理" と、捜しても捜しても欲しい答えが出て来ないもどかしさのせい?で、片側からの視点からしか状況を纏めることができなかった "あまりにもウェットな世界"・・
 読めば読むほどギャップを感じてしまうのですが・・ よく考えると "その国の読者向け" としては "極めて読みたくなる内容が書かれている" ということに気が付きます。 そう、どちらの本もしかり・・ "メディアが語るもの/語りたくなるもの" とは "大多数の視聴者が聞きたいもの/大多数の読者が読みたくなるもの" でなくてはならない・・ という経済主義の本質にはとても忠実であるということだったんです・・