約束された場所で

 どうしても "文字にして人に伝えたい" ことや、"本にして残しておきたい" ことがある・・ というのが作家を動かすエナジーなんでしょうね。 この本はインタビュー形式のノンフィクションなのですけど、村上さんの伝えたかったメッセージは全て数ページの「あとがき」に集約されてるように思います。 とはいえ読み終わってもその "答え" はいったい何だったのか、いま何処にあるのか・・掴みきれません。 それどころか時が過ぎて今に繋がる問題も含め謎は深まるばかりです。
 その "答え" は人間の歴史が以来存在しないのかもしれません。 そこに "壁" などは無く、"違い" を区別することは出来ないのかもしれません。 "善" にしろ "悪" にしろ、人間の価値感や正義感に絶対的尺度を持ち込もうとするから誤解が産まれるだけで、マクロな視点で俯瞰しても不確定性関係は無くならないのでしょう。 素直に "相対的" に考えれば良いだけなのかもしれませんが・・