Wハンド追記

akaisan2008-06-29

 夕暮れの中、最初にフィニッシュを果たしたのは セールナンバー 5118「CENTURY FAST III」時刻は18時5分35秒、すなわち 所要時間 11時間05分35秒ということでした。 ファーストホームを祝うようなフォグホーンの響きと共に本部船の脇を真っ白なスピンが波音を立てて駆け抜けていきました。 思わず拍手と「お疲れさまでした〜」の声が掛かります。
 しかし「オメデトウございます!」というお祭り気分はここまで。 続々と近づいてくる艇団に本部船では緊張の空気が張り詰めます。 一艇たりとも一秒たりともフィニッシュ記録に抜けは許されません。 マスト脇でフィニッシュのスリットを読むレース委員長。 フィニッシュラインに向かってくる艇を事前に現認しチェックする係、フィニッシュに合わせ電波時計とにらめっこして時計を読み上げる係、時刻と艇名をひたすら記録し続ける係、安全のため ×2名で・・・ 明るいうちは遠目にセールナンバーや艇名が判るのでまだ余裕がありますが、日没が過ぎてあたりが闇に包まれると艇がフィニッシュラインを通過する "数秒" にチェックが集中し、さらに連続してのフィニッシュやアウター寄りのコースだとチェックもさらにたいへんとなり、本部船上にいろんな声が錯綜することになります。 ふぅ〜
 ときどきフィニッシュの隙を見て無線で陸上本部に艇名、フィニッシュ時刻を連絡します。 陸本ではほぼ平行してPCにデータ入力をしていることでしょう。 もう少し隙間がある時にはお茶を飲んだりクッキーをたべたりしました。 気温は20度くらいあったようですが、6月とはいえ夜は冷えます。 時おり小雨もぱらつく中、洋上で風に吹かれているとけっこう寒くて、結局私はシンチラを重ね着+カッパでほとんど冬支度と同じでした。
 さて今回は当初風が弱くてどうなることかとハラハラしましたが、トップ艇フィニッシュから21時のタイムリミットまでおよそ 3時間の間に 61艇がフィニッシュすることができました。 21時をカウントダウンする時、やや沖のほうに2〜3艇のマスト灯が見えたのですが・・ 残念ながらタイムリミット。 長音一声とともにサイドステイのパトライトを消し、フィニッシュラインをクローズしました。 記録や機材をケースにしまい、エンジン始動。 アンカーを揚げて疲労感と満足感とともにハーバーに向かいました。