硫黄島

 公民館の図書室本ですが、硫黄島に関する本を2冊読みました。 「硫黄島星条旗:ジェイムズ・ブラッドリー」と「散るぞ悲しき:梯 久美子」
 硫黄島の闘いがあったのは1945年2月です。 今から63年前・・ まさに戦争の事実はそこにあったという感じです。 でもその記憶はどんどん薄れてしまう。 もちろん当事者の人たちがそのときその場で考えていたことは史実資料や聴き取り調査などにより私たちが推測するしかない訳です。 二人の著者によって解きほぐされた形のその瞬間や時代を伝えてくれるこれらの2冊は、いづれの本も読んでいて胸が押さえつけられるような "ノンフィクション" なのですが・・  列車が駅に到着するという放送があり、SUICAをタッチして改札を出、見知らぬ大勢の人たちと横断歩道を渡る頃には "ほんとうにそんなことがあったのだろうか?" という気持ちさえしてしまう・・ そんな私たちの現在であり、毎日です。
 人類の (短い) 歴史の中ではもっといろいろなことがあったのでしょう。 うすっぺらな教科書の中にも簡単な語句とともにごくごくうっすらと伝えられている事象もあります。 百科事典なら1,000字くらいは費やされているかもしれない。 その一方で項目すら与えられない出来事だって数え切れないくらいあるはずです。 そして、いづれ硫黄島の話もそんな歴史の "1フレーム" いや "1行" に過ぎなくなってしまうのかと思うと、なんとも記憶のはかなさ、人間の悲しさを感じてしまいます。
 そんなこんなでバイオリズムは下降気味です。