高瀬舟

 森鴎外・・ 大正5年 (1916年) 1月発表。 原文は http://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/691_15352.html ここです。
 明日からの期末試験に向けて娘があたまを悩ませていました。 授業で取り上げて読んだり解説したりはしていない。 でも、試験範囲として宣言されていて、どんな質問かは判らないけれど必ず出題されるとのこと。
 この話を聞いて、おくさんも私も読み直してみたのです。 タイトルはともかくすっかり話の内容を忘れていたのですが、なんとも奥が深いです。 大人になって読み返して "違う味わい" を感じてしまいました。 内容的には現代の私たちにもそのまま当てはまるようなテーマでもあったんですね。 そう、歳とったぶん「より理解ができた」というところでしょうか。
 ヤング向けには "ちょっと作者と共通体験" 風の安直な小説 (そのくせ枚数は多い) が増えて、じっくりと考えるということが少なくなっている昨今、短編ながら多面的な解釈を求めてくる、とてもいい文章なのです (答えがないといえばそうなんですけど) 。
 期末試験にこういうテーマを出した先生にざぶとん一枚!